今回は男子シングルスの全日本総合2011決勝戦を見て行きましょう。
小さい頃から抜群の成績をおさめてきた田児選手と粘り強いスマッシュが持ち味の佐々木選手の試合です。
ではさっそく見て行きましょう。
シングルス 田児vs佐々木
第1ゲーム
クロススマッシュの決め方
第1ゲームでは、クロスのスマッシュのエースが非常に多いように見えます。
パターンとして、相手の低めのロブを飛びついてかなり前の打点からクロスに低く沈めています。
シャトルは距離を飛ぶと失速していくので、飛距離が短いほどスマッシュは強力になっていきますので、基本的にはストレートのスマッシュのほうがショットそのものの性格としては決まりやすくなります。
ですが角度とネットとの距離の関係で、クロスのほうが角度をつけて低く沈めるショットが打ちやすくなることに加え、
ストレートを優先的に守っておくために意表をつきやすいところがクロススマッシュの利点です。
つまり、低くて早めのロブを前の打点で取ると
・ストレートは角度をつけにくい
・クロスなら角度がつきやすい
・もともと浅いので飛距離は短くクロスにして距離が長くなっても強力
という点において、
低いロブ×クロススマッシュはとても相性のいいことがわかります。
この2人ほど強力なスマッシュが打てなくても効果のある使い方なので、シングルスをやる際は決めパターンとして使えるでしょう。
第2ゲーム
インターバルの使い方
2ゲーム目の2個目の動画で競っているポイントのときに、田児選手はよく汗が落ちたことを理由にでしょうか、コート上を何度か拭いてもらっています。
ゲーム本体とは関係しないですが、バドミントンの試合は心理戦です。
特にこのときのように、追い込まれている状態ではつい急いで試合を進めて解放されたい気持ちにかられます。
そこを意図的にインターバルを作って焦らせることで心理的に優位にたっています。
それにつられたのか、佐々木選手はこの場面で立て続けにイージーミスをさせられているようです。
タオル休憩などが与えられる試合では、うまく活用するのもいいでしょう。